表現するということ①

ケアサロンさくらでは、さまざまな表現活動をケアに取り入れています。

理由は認知症の人であっても何らかの形で自己を表現することが必要だと思うからです。

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ここでいう表現とは、ケアを円滑に行なうために用意されたアクティビティーなどのメニューのことではありません。

表現とは、いわばお仕着せの、そうしたアクティビティーとは似て非なるものです。

表現とは、時間をかけて自分自身と向き合うなかで生まれてきた何か、なのではないか、

そう考えると行動・心理症状(BPSD)さえも自己表現と言えるかもしれない、

とそんな風に思うのです。

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写真の男性も2か月間をかけて1枚の絵を仕上げています。

この男性は認知症の進行にともなって、言葉でのコミュニケーションが非常に難しい状態になっています。

独りごとをよく話されますが、話しの連続性が無く(わからなく)、意味不明なやり取りになることが多い方です。

しかし時に、とても前向きな意志表示をされる方だと私たちは感じています。

 

ご家族(ご本人も)の承諾を頂いきましたので、

78歳のこの男性の2か月間に及ぶ制作過程を時系列でお見せしますね。

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2014.7.14 スケッチブックの上の方に何やら描き始める

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2014.7.24 上から何かが降りてくるのか?降ってくるのか?

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2014.8.4 渦巻きのようにも見えるが・・・

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2014.8.7 色鉛筆3本束ねる方法を考案

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2014.8.13 しっかり意志を持って書いている様子が伝わってきます

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2014.9.1 ① 隣の人がつかっていた絵具と筆を借りる

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2014.9.1 ② 慎重に慎重に、立ち止まったり考えたりしながら背景を塗る。

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2014.9.16 完成した作品を額にいれてみました。

今回の作品は藤沢市の石蔵を用いた画廊で行なわれる「湘南Vivitアート展」に出展します。

ほかにも2名の方が作品を出展します。

「湘南Vivitアート展」は10月4日から13日まで。